フォトコンテストに参加してみよう
写真が好きで数々の作品を撮り溜めている人や自分の作品を多くの人に見てもらいたいと考えている写真愛好家の人が多いと思います。その想いを実現する絶好の機会がフォトコンテストです。コンテストに出展することで誰かとその写真を共有するきっかけが生まれますし、入選した人の写真を見て新しい世界に興味の幅が広がることもあるでしょう。コンテストに応募することで自分の写真に足りない部分がわかったり、その作品をたくさんの愛好家の人に見てもらう、そんなことも写真の楽しみ方の一つだと思います。コンテストに入賞したり、表彰されたりといったことになればもっと写真が好きになると思います。表彰式などで同じ考えの写真仲間が増えれば写真を撮る楽しみもきっと増えるでしょう。そして、応募するのであれば上位入賞を目指して頑張りましょう!
はじめに
「こういう写真が必ずコンテストに通る」という正解はありませんが、写真に込めたメッセージがうまく表現できなければ、それを第三者に伝えることはできません。コンテストに限らず自分が写真を通して何を伝えたいのか、写真に込めたメッセージをより明確にするために、ここでは幾つかのポイントをご紹介します。
フレーミングの意識を持ちましょう
妖艶な花魁姿の女性のポートレートです。江戸情緒を感じさせる背景と花魁姿という古風なシユエーションでありながらメイクや髪型などに見られる現代的な雰囲気が絶妙にマッチしていると思います。キセルを持つ手の所作も美しいのですが、残念なのはキセルの先端が切れていることです。花魁の持つ小物として最もアクセントになるアイテムだからこそ、フレーミングする時に周辺までもあと一歩意識を向けてほしかったです。
様々な角度から観察することで違う構図になります
地面を鷲掴みにし、太く長く伸びる樹木の命の源とも言える根に焦点を当てた作品です。作者の意図はモチーフやタイトルからも十分理解できるのですが、中央部分が根っこではなく地面の占める割合が多いためか、切り取り方としては少し弱い印象を受けました。もっとアングルを低くし根に肉薄するなど、違った角度から観察してみても良かったかもしれません。
テーマとなる素材をきちんと写しこみましょう
夕暮れに染まる漁港を歩く一匹の猫。綺麗なグラデーションの空に伸びた電灯のアクセントもとてもいい一枚です。ただ、せっかくの猫の存在感が黒く落ちた背景に溶け込んでしまっているのが残念です。空の再現性を重視した末の露出の選択だったのかもしれませんが、もう少しだけ猫の輪郭が見えていたら、この暮れる情景の中を歩く猫の存在がより生きた作品になったのではないかと思います。
金森玲奈先生略歴
1979年東京都生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。在学中より都会の片隅に生きる猫の姿を撮影してきた。東京芸術大学付属写真センター勤務等を経て2011年よりフリーランスとして活動を開始。近年は身の回りの何気ない瞬間や国内外の旅先の風景、けがと障害がきっかけで引き取った二匹の飼い猫との日々を撮り続けている。http://kanamorireina.com/
さあ、どんどん応募してみよう!
雑誌のフォトコンテスト以外でも様々なフォトコンテストが開催されています。そうした中、月刊「カメラマン」が長年協賛している「総合写真展」が6月25日まで作品を募集しています。
同展は、作品が入選以上に選ばれると「東京都美術館」(台東区・上野公園)に展示されるというもので写真の展覧会としては大変規模の大きい公募展です。また、入選者の方を対象とした表彰式も開催されます。腕に覚えのある人はもちろん、写真を始めてまだ日が浅いという人も、写真をもっと楽しむために、今年はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
●「第22回総合写真展」ホームページ
http://shashinten.info/