月刊カメラマン2018年1月号からの新連載『撮る気持ち、撮られるキ・モ・チ!』。毎回一つのテーマを決めて撮影します。写真家・萩原和幸さんがそのカットの撮影者側の意図を、モデルである、いのうえのぞみさんが撮られ手のキモチを、それぞれ語る企画です。まずは本誌記事をご覧ください。そしてアザーカットを通じて、撮影の別の部分を、このWebカメラマン上で語って頂きます。

今回のテーマは『初戀』

本誌掲載作品は、当初から狙っていたカット。でもそこに行き着くまでの、たとえば気持ちの盛り上がりとか、モデルのいのうえさんとの意識のすり合わせなどを試しながら、細かく変化をつけて撮影している。何せ『初戀』という、デリケートなテーマだから。

「切ない感情を前面に」(萩原)「好きな人の背中を見つめる」(いのうえ)

好きな人とすれ違っても、振り向いてもらえない、そんな切ない感情を前面に出ているのがこのカット。本誌掲載カットとは違い、「もう私の方には向いてくれない」という気持ちがあってこその表情。この表情、彼女はとても自然だった。(萩原和幸)
こちらのカットは、好きなひとの背中を切なく見つめるイメージで。私のことを、気づいていないのかな…という切なさを込めて。(いのうえのぞみ)

▲ソニーα7RⅡ シグマ135mmF1.8DG 絞りF2.0 1/125秒 WB:マニュアル ISO125 RAW
ストロボ使用(Nissin Di700A+Air10s)

「相手が好きと分かった瞬間」(萩原)「ちょっとあざといかなw」(いのうえ)

こちらのカットは、どちらかといえば相手が自分のことを好きとわかった上ので笑顔かなって。この笑顔には、余裕が感じられるなあ。(萩原和幸)

私が萩原さんに、“あざとめな”笑顔も撮って欲しいですとリクエストしたカット。初戀のひとにこんな笑顔は恥ずかしくて出来るはずもなかったので、願望を込めて…(笑)『あざとい顔してるねえ〜』なんて二人で笑いながらの撮影となりました。(いのうえのぞみ)

▲ソニーα7RⅡ シグマ135mmF1.8DG 絞りF2.0 1/125秒 WB:マニュアル ISO125 RAW
ストロボ使用(Nissin Di700A+Air10s)

次回は『初戀』をテーマにした別シーンのカットをお見せいたします!

撮影はポートレートの達人、写真家・萩原和幸さん

1969年、静岡県出身。東京工芸大学卒業。静岡大学人文学部法学科卒業。写真家・今井友一氏に師事、独立後、K&R Photograph∞を設立。フリーランスのフォトグラファーとして雑誌での撮影・執筆や広告撮影などで活動中。公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。静岡デザイン専門学校非常勤講師。

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