11月号の巻頭特集は、激論「愛のあるカメラ選び」となっております。が、全3日間・トータル15時間にもおよぶ座談会ということで、誌面で掲載されるのはほんの一部でしかありません。ということで、ここでは様々な理由により本掲載に及ばなかった収録部分をサルベージ、ここに「流出」させていただきます!

シグマ dp Quattro

河田:僕、一度、ポートレートを撮ってみたいんですけどね。長い玉で。
阿部:あ、僕はそれ、やりました。ポートレート。
河田:どうでした?
阿部:肌が解像しすぎてて、使いにくかった…。
河田:ですよねー。どんなきれいな子でもなにかしらアラが見えてしまうよね。
阿部:(撮影後の)手直しは絶対に必要だと思いました。冬に撮ったというのもあるんだけど、産毛ではなくちょっとカサカサしたようなところ。皮膚の白くなるところとか、モロに出ちゃうんだよねー、だからメイクも大変。
河田:おそらく、自前のメイクみたいなレベルではアラがすべて写っちゃいますからね。
阿部:ふざけたようなメイクじゃダメだね(笑)
赤城:白目のところの血管とか、つい拡大しちゃうんだよね。もう、あまりにリアルで困っちゃう。
阿部:怖いです(笑)
河田:別にそれを見たいわけではないんですけどね。
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赤城:現状、ソニーが一番良いかっていうとまた話が違ってくる。それぞれに役割っていうか。個性というものがあるべきだと。シグマに関しては、もう突出しています。要はレンズを主体にしているメーカーだから思い切ったことができるんだろうね。もちろん、売れないより売れたほうがいいに決まってるんだけど(笑)。でも、その辺をなんとか我慢しながら突っ走っている。自分たちがやりたいと思っている絵づくりに向けてね。
河田:まあ、(dp Quattroは)デザインとかも賛否両論あると思うんですよね。どう見ても考えても決して使いやすいようには思えないから。バウハウスの理論とも合致してないし。形態は機能に従う、とも言えない(笑)
赤城:dp Quattroが出たときに、デザインの話を聞きにいったら怒られちゃったのを思い出した(笑)
河田:だったよねー。デザインには触れないでくださいみたいな(笑)
赤城:でも、最近になってデザインに関してはアナウンスしている。
河田:さすがにこれだけ時間が経つとオープンにもなってくるでしょうから。
赤城:だろうね。ただ、必然のためのデザインというのもある。dp Quattroはもう熱対策でしかないんだけど、でもそれが必要でこういう形になりましたっていうんだったらそれはそれで納得できるんですよ。
河田:まあ、そうでしょう。でも、他のメーカーだったら、間違ってもこのデザインじゃ出さない(笑)
赤城:でも、たとえば(dp Quattroはカメラバッグへの)収納性が悪いって言う人もいないわけじゃん。
河田:そう。実は劣悪なんだけどね(笑)
赤城:それはおっしゃる通りです。こんな外観でごめんなさい。でも、撮ってみてくださいよ、あなた、ビックリしますから! みたいな(笑)
河田:まあ、最高にいい条件が揃ったらそうなるでしょうね(笑)。コダクロームみたいなテイストが好きな人は絶対にソソられるはずです。もうニッチでしかないですが(笑)
赤城:頑張ってやっていただきましょう。
河田:逆にこれがメジャーになったらつまらないですから。みんなシグマを使ってたら怖いです(笑)
赤城:でも、一部での評価は絶大ですよね。
河田:もしかしたら、ある意味、Macみたいになっちゃうかも。スタバに行くとみんなMac book Air使ってた、みたいな。なんか気持ち悪りぃー(笑)
赤城:分かります。
河田:でもまあ、他のメーカーじゃ絶対に稟議は下りないでしょうから。普通に考えれば、こんなヘンな格好のカメラ。使いやすいわけでもないし。でも、ちゃんと製品化されている。そこがすごい(笑)
赤城:分かるやつだけに分かればいいんですよ。
河田:なんか気取った言い方をしちゃうと、そうなっちゃいますよね。
落合:既存の常識にとらわれてないっていうんですかね。
河田:その暴れ具合が面白いな、と。
落合:そうですよね。あるべき形から脱却できている。そういう意味で考えると、さっき話題にのぼっていたフォーマットの話、まず最初に崩してくるのは、ひょっとしたらシグマなのかも?
河田:そうですよね。シグマも自分のところでセンサーを作っているわけですから。フルサイズとかにこだわる必要もない。
落合:このままらこの路線で続けるなら、なんかやってきそうな気がしますよね。
河田:やるかもね。それは期待ですね。
赤城:密かに考えているかもしれないよ。
河田:そもそも最初のDPもAPS-Cじゃなかったもんね。微妙に小さかった。
赤城:それですらも、他(のメーカーは)はやらなかったから。
河田:期待したいですよね。
赤城:今も昔も、超絶使いづらいけど(笑)。それでも文句を言わせない。
河田:いや、最初のDPから比べれば相当良くなってますって。だって、ホワイトバランスはほぼメチャクチャだった。シャッターを切るたびに全部色が違ってましたから(笑)。さすがに現行ではそういうのはなくなってきたから。面白いカメラですよ。こういうのもあっていいんですよ。