月刊カメラマン誌「ジャンル別フォト講座」にて好評連載中「スナップ」の講師・内田ユキオさんによるWebカメラマンスペシャルセミナー。今回はその3です。このセミナーをもっと知りたい方は月刊カメラマン誌2017年7月号別冊付録をご参照ください。短期連載は付録よりの引用です。
http://www.motormagazine.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=838
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好きな写真家を捜し、名作を目にし、それを真似ること
レンズが決まり、撮影へのきっかけとなるモチーフが見えてきたら、いよいよ撮影。ロシアのデザイナーであるヘンリー・ペドロスキーが「冷蔵庫にある卵とハムとチーズを見て、オムレツが浮かぶのがデザイナーだ」と言ったらしいですが、ブレッソンの写真などを見るとその連続だったのだろうと予想できます。あれとあれを組み合わせれば写真になるな…と。
料理にレシピがあるように、多く用いられてきた類型があって、それが見本となっています。たくさんの写真を見て、自分のなかに審美眼を作り上げていくしか近道はありません。となれば最初は誰かの真似をするしかないでしょう。
なにを撮るか?どう撮るか?巨匠たちの真似をするのが最初の一歩。いろいろ見ていると、自分のセンスにフィットする人が見つかります。大事にしているものが似ているはず。構図なのか、表情なのか、人物の配置なのか、階調なのか。
僕の場合はブレッソンの構図とロバート・フランクの詩的な物語性が、自分のやりたいことに似ていると感じました。そのため使っているレンズも同じものを愛用しています。
しばらくは真似してみるのもよいでしょう。写っているものが違い、撮る人の癖が前景化して、あなたらしさが見つかっていきます。まずは照れずに最初の一枚に挑戦しましょう。
今回のポイントは3点!
❶とにかく名作をたくさん見るべし!
❷似た写真の真似をしてみるべし!!
❸早く好きな写真家を探すべし!!
撮影・解説は自称「最後の文系写真家」内田ユキオさん
公務員を経てフリーフォトグラファーに。自称「最後の文系写真家」。モノクロのスナップに定評があり、ニコンサロン、富士フォトサロンなどで個展を開催。本誌をはじめ、新聞、雑誌に寄稿し、写真教室の講師など精力的に活躍中。主な著書には「ライカとモノクロの日々」、「いつもカメラが」など。