今でこそパッとしませんが、その昔、ロックバンドにおけるギタリストは花形でした。そして曲の中間のギターソロは大きな意味を占め、そのフレーズや奏法、使用ギターのネタだけで夢中になれたのです…。

タイトルバック:惜しくも6位となった“HOUSE OF GOD” ○弾き手:Lester Square(The Monochrome Set)○音源:DANTE'S CASINO(アルバム 1990) 90年の来日公演で履いていた「蛍光スケルトン柄ジーンズ」がどうしても欲しくて、しばらくやっきになって探した。が、その後は覚えていない。

第5位 You're Lost Little Girl 

○弾き手:Robby Krieger(The Doors)
○音源:Strange Days(アルバム 1967) 
基本、キーボーディストが強力だったことから、ドアーズの楽曲におけるギターのイニシアティブは限定的。が、この曲ではキーボードがバックに回っている。何カ所か出てくるギターとキーボードのユニゾンがとにかく泣ける(人もいる)。
ソロパートの音色は、トレードマークである“ギブソンSG”とはかけ離れた腰砕けトーン。が、当時はSGではなくピックアップがプアなギブソン・メロディメイカーを使っていたという説もあり、それなら納得。

第4位 The Fire

○弾き手:Tom Verlaine (Television)
○音源Adventure(アルバム 1978)
なせか当初はニューヨークパンクの旗手として紹介されたバンド“Television”。が、実はネチネチしたギターバトルが好きなオールドウェイブな音楽青年だったというオチ。
パンクでもギターポップでもない、日本人ですら気恥ずかしいであろうド演歌の極み。号泣ギター。フェンダー ジャズマスターなので弦落ち確実。
もーしかしたらソロはもうひとりのギター、リチャード・ロイドかも知れないですが…トレモロユニットを使っているので、トムさんで間違いないかと。

第3位 Harder They Come

○弾き手:Keith Richards
○音源:7inch.シングル(1978)
ビッグネームのファースト・ソロシングルはジミークリフの名曲カバー。が、ほとんど話題とならず、売れなかったと思う。全編に漂う脱力感、というかやっつけ仕事ぶりが尋常ではない。もしかしたらマトモにギターなんか弾けるような健康状態ではなかった?
これまたソロ部分はロン・ウッドさんの可能性がなきにしもあらず…でも、ここまで投げヤリっつーか、ただただ手クセ「だけ」の演奏でOKを出すロニーさんとも思えないので。ともあれ、ソロ最後のダブルノート&チョーキングだけですべて許される。

第2位 Woodstock Improvisation

○弾き手:Jimi Hendrix
○音源:WOODSTOCK(アルバム 1994)
音だけ聞くと、どうやって弾いているのかマッタク想像できない。で、画像を観ると大変なことに気づく。フツー、ギターが上手と言われる人は、フィンガリングというか、要は指がピロピロ速く動くわけですよね。でも、この人ったら、腕そのものがものすごいスピードで移動している。イメージとしては和音でアルペジオ。しかもそれでアドリブ…。
ミッチ・ミッチェルさん(ドラム)が、何もできず呆然と立ちつくしているのも理解できます。「ああ、ジミが別の世界に行っちまた。しばらく放っておくしかないな」

第1位 Exiles

○弾き手:Robert Fripp(King Crimson)
○音源: Casino,Asbury Park,New Jersey June 28,1974
'73~'74年の一年以上に亘る、キングクリムゾン「北米~ヨーロッパ~北米ツアー」でのほぼ最終に近い公演でのテイク。ソロパートはすべてアドリブなので、会場ごとの違いをチェックするのがとにかく楽しい。ああ楽しい。とはいえまだ20公演くらいしか聴けていない(ほぼ全公演の音源が発売されている!)
ツアー最終局面ということで、ソロも完成の域に達した、と言えなくもない。が、その後の6/29ペンシルバニア、6/30ロードアイランド、7/1ニューヨーク(これで解散)でのテイクがイマイチなことから、やはりここにだけ「ギター神が光臨した」のでしょう。