編集部:(山田氏持参のニコンFを覗きながら)ファインダーに何にも数字が出てこない。マルとかバツとかすらも出てこない。
山田:そりゃ、出るわけがないですよ(笑)
編集部:でも絞り値ぐらい出ても。窓開けるだけなんだから。
阿部:その絞りの値が出る窓も付いたやつと付いてないのがあって、それはアイレベルファインダーなので出ません。
編集部:露出はどうやって決めるの?
中村:フィルムを買うと箱に書いてあるから、その通りにやれば間違いない(笑)
山田:僕は高校生の頃、ニコンはF2のアイレベルから入ったから、露出計なしなのが普通だった。露出はほぼ勘でいっちゃってたな。
阿部:僕の場合はキヤノンFTから入っているので、絞り込み測光だけど露出計がついていました。
編集部:基本感度がほぼほぼISO100だから問題なかった?
阿部:昔は「晴れたら1/250のF8」とかさ、みんな覚えてたの(笑)。被写界深度なんてあまり気にしなかったし、そもそも写っていることが大事だったから。それに開けて撮らないし、どこまで絞っていくかっていう(笑)
編集部:ネガだから大丈夫だったみたいな?
山田:だね。ちなみにこのボディ(山田氏持参のニコンF)は1969年の9月から10月の生産だそうです。
阿部:へー。9月から10月ってとこまで分かるのはすごいね。
山田:ネットで調べました。そういうのが誰にでも分かる、というのがやっぱりニコンなんですよ。
中村:まじめに製造番号を管理してるところが偉いですよね。今はどうか知らないけれど、昔のペンタックスなんか適当。行き当たりばったりで番号を付けてる感じです。
阿部:例えば不良品が出たりとかして組み直して出すと、今流れているやつよりも若い番号が後から出てきちゃうじゃない。その辺はどうしていたのかな? それにシリアルを後から刻印するのか、それともすでにシリアルが入った部品を使うのかでも変わってくるよね。欠番になっちゃうこともあるだろうし。
中村:そもそも番号の付け方に厳格な決まりがないから、欠番が出ても、それほど気にしなかったんじゃないかな? 使ってない番号があれば新製品に付けちゃえみたいなユルい雰囲気もあって、番号が若い方が古いっていうルールが成立しない。
阿部:ライカだって間違いはありますよ。僕の持っているスーパーアンギュロンはクロームなんだけど、シリアルはブラックのものが付いている。
編集部:ブラック固有のシリアルがあるってこと?
阿部:ようするに何番から何番まではブラックの番号です、っていう中に僕のクロームのスーパーアンギュロンが入っていた。レアっていうか要するに間違いなんだけど。
編集部:おっと、プレミア?
阿部:いや、それはない。居酒屋でネタになるレベル(笑)

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