パナソニックは11月1日、東京・国際フォーラムにおける創業100周年記念「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM2018」でフルサイズミラーレス機「Sシリーズ」の今後の戦略を語り、「Lマウント」協業3社(ライカ、パナソニック、シグマ)の責任者がパネルディスカッションを行った。
画像: パナソニックは創業100周年記念「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM2018」でフルサイズミラーレス機「Sシリーズ」の今後の戦略を発表、さらに「Lマウント」協業3社が将来を語る!

この日のパネラーはパナソニック・アプライアンス社副社長の渕上英巳氏、パナソニック・アプライアンス社イメージングネットワーク事業部事業部長の山根洋介氏、ライカカメラドイツ本社プロダクトマネージメント主席日本代表窓口の杢中薫氏、シグマ商品企画部部長の大曽根康裕氏、写真家の相原正明氏、写真家の河野英喜氏。そしてファシリテーターはアイ・イメージング・フラッグ代表の石田立雄氏が務めた。

パナソニック・アプライアンス社 事業部長、山根洋介氏の話

2008年初のマイクロフォーサーズG1を発売してから、ちょうど10年。その後、プロの作品制作に耐える新しいカメラを8年ほど前から考えるようになった。動画も4K、8Kの時代が来ると、マイクロフォーサーズというセンサーサイズにも限界が来ると予想していた。それが今回のSシリーズへの発展と繋がっていく。

画像: パナソニック・アプライアンス社 事業部長、山根洋介氏の話

Sシリーズの開発の立ち上がりは3年ほど前から。フルサイズのミラーレスを新規開発するにあたり、レンズマウントは自社独自のものにすべきか検討していた。ただし動画、静止画の両面で親和性を担保できるレンズマウントを考えていく中、その過程の中でライカLマウントの案が浮上。

ライカとの話が決まったのは2017年の1月22日だった。強いブランド力、信頼性を有するライカとの「Lマウント」での協業もビジネス上で大きな戦略の一つと考えた。絶対にこのビジネスとアライアンスを成功させる決意がある。自分たちの視点ではなく顧客への期待に応えることが大切である。

ライカカメラドイツ本社、杢中薫氏の話

ライカTを発表する前に、ミラーレスフルサイズ機も独自でやるべきだという考えはあった。そして、2015年にフルサイズミラーレスのライカSLを発表した。しかし自社のみでレンズラインナップを増やすのは困難だと判断し、パナソニックとの協業を前向きに考えるようになった。2010年頃、ライカMのデジタル化にともないMマウントのAF化を検討していたが、難しいと判断した。

市場のプレゼンスを上げていくためにパナソニックと昨年の1月に合意し、その後のCP+の時期にシグマへアプローチした。協業は3社で終わることなく、将来的に顧客のメリットがあれば、他社の参加もあり得る。ライカSLも今回の3社協業でより魅力的なレンズが登場すればユーザーが拡大していくことを期待している。

シグマ商品企画部長、大曽根康裕氏の話

「Lマウント」アライアンスの話は驚きもあったが、同時に吹っ切れた部分もあった。シグマもショートフランジバックのSAマウントのミラーレスを開発し、独立独歩でと考えていたが、SAマウントは今後、開発しない方針を決め、「Lマウント」のカメラとレンズに注力していく方向性をフォトキナで明らかにした。「Lマウント」フォビオンセンサーのフルサイズ機にも期待してほしい。

写真家・相原正明氏の話

カメラはマウントアダプターを介さないとレンズの共用は難しいが、「Lマウント」により3社のレンズバリエーションの広がりは興味深いし、面白いと思う。単焦点のレンズ、特に広角のライカレンズを使いたい。

ミラーレスカメラは小型軽量だが、「カメラを持つ喜び」が失せている気もする。優れてはいるが情報端末化している傾向があると思う。カメラはある程度の重さも風景写真撮影時には大切。パナソニックのSシリーズはファインダーの大きさ、見やすさも魅力。SシリーズはLモノクロームDの階調の改善に期待。長谷川等伯のような作品も撮りたい。

写真家・河野英喜氏の話

Lマウントは3社独自の個性を持ったレンズが出てくると期待している。その特性を理解しながら、作品に合わせて使い分けることができるのが魅力だ。ライカはフィルム時代のMシリーズはよく使っていた。デジタルでさらにブラッシュアップされたと思う。パナソニックのSシリーズはしっかりしたカメラであるという印象を受けた。ホールド感、グリップ感も良好だ。

EVFより良くなっている印象を受けた。GシリーズとSシリーズの使い分けは被写界深度の違いや機動性により使い分けたいと思う。雑誌の表紙などはSシリーズで、動きのあるグラビアなどの作品はGシリーズというようにそれぞれの特長を活かしたい。

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