月刊カメラマン2018年2月号から7月号にかけて、異なったジャンルのトップ写真家6人が、お気に入りの富士フイルムXFレンズを使用して作品を発表、気に入っている理由や使用感をレポートした。今回は2018年2月号に掲載した第1回「格闘技×藤里一郎」の記事を再掲する。

全焦点域でシャープ! 「リング上のポートレート」にうってつけの
開放F2.8標準ズーム!

画像: 不可思の右のパンチが入った! 攻撃が交錯する瞬間がたまらなくゾクゾクする。スナイパーの如く狙った瞬間は逃がさない。お互いの魂がぶつかった瞬間を、好みの画角で撮れるのもズームならでは。 ■焦点距離27mm(35mm判換算約41mm) *共通撮影データ=X-T2 絞りF2.8 1/1000秒

不可思の右のパンチが入った! 攻撃が交錯する瞬間がたまらなくゾクゾクする。スナイパーの如く狙った瞬間は逃がさない。お互いの魂がぶつかった瞬間を、好みの画角で撮れるのもズームならでは。
■焦点距離27mm(35mm判換算約41mm) *共通撮影データ=X-T2 絞りF2.8 1/1000秒

画像: 相手の動きを止める不可思のローキック。伸びた脚が美しい。1/1000秒のシャッターが切れるのも絞り開放F2.8のおかげだ。 ■焦点距離32mm(35mm判換算48mm)

相手の動きを止める不可思のローキック。伸びた脚が美しい。1/1000秒のシャッターが切れるのも絞り開放F2.8のおかげだ。
■焦点距離32mm(35mm判換算48mm)

キックボクサー・不可思(ふかし)

43戦32勝(14KO)9敗2分 WPMF日本スーパーライト級王者/RISEライト級王者/初代Bigbangライト級王者/元REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者

画像: 相手を見据える不可思。年々いい顔になっていく。長く撮っているからこそわかるものもたくさんある。緊張感のあるシーンを切り撮る「リング上のポートレート」にXF16-55mmF2.8 R LM WRはうってつけのレンズだ。 ■焦点距離38mm(35mm判換算57mm)

相手を見据える不可思。年々いい顔になっていく。長く撮っているからこそわかるものもたくさんある。緊張感のあるシーンを切り撮る「リング上のポートレート」にXF16-55mmF2.8 R LM WRはうってつけのレンズだ。
■焦点距離38mm(35mm判換算57mm)

今回の撮影で使用したフジノンXFレンズとXシリーズ
XF16-55mmF2.8 R LM WR

画像1: fujifilm.jp
fujifilm.jp

●レンズ構成:12群17枚●絞り羽根枚数:9枚●最短撮影距離:60cm(標準)30cm(マクロ・広角)40cm(マクロ・望遠)●最大径×長さ:Φ83.3×106.0㎜●重さ:655g●フィルター径:77㎜●実勢税込価格:13万5670円※

富士フイルム X-T2

画像2: fujifilm.jp
fujifilm.jp

●有効画素数:2430万画素●撮像素子:APS-C(23.6×15.6㎜)X-Trans CMOSⅢ●ISO感度:ISO200~12800(標準)、ISO100 /25600/51200(拡張)●連写性能:約14コマ/秒(電子シャッター設定時)、約11コマ/秒(VPB-XT2装着時)●ファインダー視野率(上下):100%●ファインダー倍率:0.77倍●記録メディア:SDHC/SDXC/SDカード●ボディサイズ:W132.5×H91.8×D49.2㎜●重量:約507g●ボディ単体価格:オープン(実勢税込価格:16万9200円※)※実勢税込価格は2018年1月中旬の都内量販店のものです。レンズも同様です。

格闘技はスポーツ撮影ではない。僕にとっては四角いリング内のポートレートだ。

僕が格闘技を撮りたいと思ったのは2003年、キックボクサー武田幸三との出会いだった。彼をテレビで観て衝撃を覚え、撮らせて欲しい旨を直訴、オフィシャルフォトグラファーとなった経緯は今でも鮮明に覚えている。その後、武田は引退。結果7年半追い続けた。“もうキックボクサーを撮ることはないだろう”、そう思っていた。なぜならともに闘うことで命を削る想いがしていたからだ。

だが4年前、とってもイキが良く、息を吞むほど殺気のある漢と出会った。それが『不可思(ふかし)』だった。甘いマスクに加え、成長の伸びしろしか感じられない無限の可能性を持つキックボクサーで、いくら努力をしようとも誰もが身につくわけではない“華”も兼ね備えていた。僕は一瞬で不可思にノックアウトされ、それから撮り始めることになる。

彼のたくさんの試合を側で観て、ともに闘い、感じてきた。4年前と比べて不可思が単純に大人になったこともあり、ずいぶんと背中が大きくなった。これはファンの想いがたくさん託されていること、守るべき存在ができたことが、そうさせているに違いない。僕はその背中を撮り続ける。キックボクシングという競技の写真ではなく、キックボクサーである彼の生き様を。

XF16-55mmF2.8 R LM WRの魅力は、全焦点域でとてもシャープであること。このシャープさは仕事撮影においても全幅の信頼を寄せている。開放からガンガン使える解像力、持った時にズッシリくる存在感は、しっかりと作りこまれている証だ。赤バッチを呈するに相応しい1本である。

リング内の「ポートレート写真」として相棒である富士フイルム X-T2とフジノン XF16-55mmF2.8 R LM WRを武器に、ともに闘うことを再び心に決めた。その瞬間と空気、音や緊張感までもあますことなく写し込むと誓いながら…。

*掲載した記事は月刊カメラマン2018年2月号当時のものです。

撮影・解説:藤里一郎

画像: fujisatoichiro.wixsite.com
fujisatoichiro.wixsite.com

Ichiro Fujisat
男っぷりのよい写真、色香あふれる写真を撮る当世一”Hip”な写真家。大倉舜二氏に師事、96年独立後“May J.”のコンサートツアー・オフィシャルフォトグラファーほか精力的に活動。LCVFM「藤里一郎+鎌滝えりのMUG CUP NIGHT」ラジオパーソナリティ。2018年より「月刊カメラマン」表紙撮影を担当する。

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