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主役になるモチーフを、脇役に!? 「予測と期待」のススメ

▲できればカップルか、犬を連れた人が通ってくれないか…と待ったもの。足の形が揃っているのは偶然ではない。■フジフイルムX-Pro1 35mmF1.4 絞りF8 1/250 秒 WB:オート ISO200
スナップ写真がうまく撮れない、どうも写真が弱い、といった悩みを抱えている人の写真を見ると、ポーカーに例えるとワンペアで、マージャンに例えると一翻で、勝とうとしているように思えます。役が足りません。

▲先に場所を見つけて、信号が青になるたびに何枚か撮影。影が重ならずうまく散っているという理由でこのカットを選択。■ リコーGR DIGITAL Ⅳ 絞りF3.5 1/200 秒 WB: オート ISO80
そこで、足りない部分を補うために、道路標識や影といった脇役を写真に取り込んで、強さを増してみるのです。アラーキー氏(荒木経惟氏)は、写真に文字が写っていると印象が強くなる!と話していました。ブレッソンやアーウィットもその効果をうまく利用しています。

▲止まれの文字と、ピンクの長靴がポイント。文字にかかるところを歩いてくれないかな…と待った上で撮影。
■リコーGR DIGITAL Ⅳ 絞F1.9 1/80 秒 WB:オート ISO80
順番としては先に面白そうな文字や標識を見つけ、それにマッチする通行人を待つといった感じでしょうか。これを「予測と期待」と言います。人が通るとしたらあの場所だな…と予測してピントを合わせ、フレーミングの準備をしておきます。人が来てからでは間に合わないからです。
あくまで、人を追いかけないで決め打ちすること。違うところを歩いたら諦める、くらいの覚悟が必要です。

▲赤い傘の女性と自転車の男性は偶然ではない。先にフレーミングを決め、アクセントになる人がやってくるのを待った結果のカットだ。■フジフイルムX-Pro1 14mmF2.8 絞りF5.6 1/17 秒 WB:晴天 ISO200
マグナムの写真家のインタビューを読んでいたら、「犬がその位置に来るのを念じて待った」と書
かれていました。マグナムの写真家でさえ念じるだけで待っているわけです。期待しながら待ちま
しょう。
今回のポイントは3点!
❶先に背景などを決めてじっと待ってみる
❷なにが来たらベストか!? 想像して期待する
❸ピントやフレームは、事前に合わせて待っておく!
撮影・解説は自称「最後の文系写真家」内田ユキオさん
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▲内田さんのブログについてはプロフィール写真をクリックしてください。
www.yuki187.com公務員を経てフリーフォトグラファーに。自称「最後の文系写真家」。モノクロのスナップに定評があり、ニコンサロン、富士フォトサロンなどで個展を開催。月刊カメラマン誌をはじめ、新聞、雑誌に寄稿し、写真教室の講師など精力的に活躍中。主な著書には「ライカとモノクロの日々」、「いつもカメラが」など。