月刊カメラマン誌「ジャンル別フォト講座」にて好評連載中「スナップ」の講師・内田ユキオさんによるWebカメラマンスペシャルセミナー。今回はその4です。このセミナーをもっと知りたい方は月刊カメラマン誌2017年7月号別冊付録をご参照ください。この短期連載は付録よりの引用です。
http://www.motormagazine.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=838

主題不要!? フレーミングが写真に命を与える!!

カメラが優秀になって、露出とピントは任せられるようになったいま、撮影時に被写体探しと同じくらい大事なのはフレーミングです。ここで言うフレーミングとは、“どこからどこまでを切りとか”だと考えてください。【共通撮影機材&データ】■フジフイルムX-Pro1 35mmF1.4 ISO200

画像: ▲傘の色と、奥に歩いている人の足と、さらに奥にいるもう一人の傘とでリズムを作っています。なんとなくおしゃれに見える写真です。■絞りF5.6 1/125 秒 WB:曇り

▲傘の色と、奥に歩いている人の足と、さらに奥にいるもう一人の傘とでリズムを作っています。なんとなくおしゃれに見える写真です。■絞りF5.6 1/125 秒 WB:曇り

スナップ写真に主役(主題)が必要だった時代は、もう終わりました。なにが写っているかがスナップ写真の価値を決めるのではなく、今は、どう写っているか!? の方に意味があります。
それを決めるのがフレーミング。

画像: ▲テールランプが四つ(と二つ)写っているだけで主役などありません。でもこの写真を弱いとは思わないでしょうし、つまらない写真でもありません。 ■絞りF2.8 1/30 秒 WB: 電球

▲テールランプが四つ(と二つ)写っているだけで主役などありません。でもこの写真を弱いとは思わないでしょうし、つまらない写真でもありません。
■絞りF2.8 1/30 秒 WB: 電球

このフレーミングで、上級者と初心者の一番の違いは、印象の強さにあります。まっ先に気にして欲しいのはリズム。画面の中に散漫に被写体があるのではなく、バランス良く並ぶとリズムが生まれます。それだけで写真の見映えが変わります。

画像: ▲あえて手前の女学生にピントを合わせることで、リズムを作りました。昔の写真なら間違いなくメイクしている女性のほうにピントを合わせたはず。 ■絞りF2.8 1/60 秒 WB:オート

▲あえて手前の女学生にピントを合わせることで、リズムを作りました。昔の写真なら間違いなくメイクしている女性のほうにピントを合わせたはず。
■絞りF2.8 1/60 秒 WB:オート

昔はよく、「三角形の構図」、「らせん構図」などと言いましたが、ああいう考えは写真に向いていません。高い方から低いほうに傾いていくリズムや、凸凹したリズムなど、いろんな動きがあります。

画像: ▲画面右から、1→3→2という人数の並びがリズムを生んでいます。手前の紳士の頭の後ろにラップトップパソコンが写って、それが広がっているというユーモアを加えました。 ■絞りF1.4 1/125 秒 ISO800 WB: オート

▲画面右から、1→3→2という人数の並びがリズムを生んでいます。手前の紳士の頭の後ろにラップトップパソコンが写って、それが広がっているというユーモアを加えました。
■絞りF1.4 1/125 秒 ISO800 WB: オート

名作とされるスナップには必ずこのリズムがありますので、ぜひ意識して見てく
ださい。そのリズムを活かすも殺すもフレーミング次第ですよ!

今回のポイントは3点!

❶フレーミングこそスナップの命!
❷主題はいらない、どう写っているかが重要
❸画面内の被写体をバランス良く=リズムを意識する!!

撮影・解説は自称「最後の文系写真家」内田ユキオさん

画像: ▲内田さんのブログについてはプロフィール写真をクリックしてください。 www.yuki187.com

▲内田さんのブログについてはプロフィール写真をクリックしてください。

www.yuki187.com

公務員を経てフリーフォトグラファーに。自称「最後の文系写真家」。モノクロのスナップに定評があり、ニコンサロン、富士フォトサロンなどで個展を開催。本誌をはじめ、新聞、雑誌に寄稿し、写真教室の講師など精力的に活躍中。主な著書には「ライカとモノクロの日々」、「いつもカメラが」など。

This article is a sponsored article by
''.