月刊カメラマン誌「ジャンル別フォト講座」にて好評連載中「スナップ」の講師・内田ユキオさんによるWebカメラマンスペシャルセミナー。今回はその2です。このセミナーをもっと知りたい方は月刊カメラマン誌2017年7月号別冊付録をご参照ください。短期連載は付録よりの引用です。
http://www.motormagazine.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=838

「あれを撮りたい!!」と思わせる“きっかけ”を探すべし

前回では、まず自分にとっての標準レンズを決める重要性について書きました。カメラ選びや設定よりも生理的な好みに関わることで、自分の側で調整するのが難しいからです。では、次に変えづらいことってなんでしょうか?

スナップの難しさは、楽しさの裏返しとなっていて、先に被写体がありません。ポートレートならモデル、風景なら景色があるけれど、スナップはそれを探すところから。そこで「なにを撮ればいいの?」という問題に突き当たります。

画像: ▲バイクや鮮やかな色が好きなのではなく、人が好きというところから始まっています。ポイントは笑顔とマスク姿の運転手の対比で、あえて雑に流し撮りしてブレの量を調整しました。 ■フジフイルムX-Pro1 XF18mmF2R 絞りF2 1/2 秒 ベルビアモード ISO800

▲バイクや鮮やかな色が好きなのではなく、人が好きというところから始まっています。ポイントは笑顔とマスク姿の運転手の対比で、あえて雑に流し撮りしてブレの量を調整しました。
■フジフイルムX-Pro1 XF18mmF2R 絞りF2 1/2 秒 ベルビアモード ISO800

画像: ▲物の形、造形に心惹かれる人は増えているようです。とくに密集した線が好きという人は目立って多くなりました。 ■ オリンパスPEN E-PL5 M.ZUIKO DIGITAL45mmF1.8 プログラムAE アートフィルター使用 ISO200

▲物の形、造形に心惹かれる人は増えているようです。とくに密集した線が好きという人は目立って多くなりました。
■ オリンパスPEN E-PL5 M.ZUIKO DIGITAL45mmF1.8 プログラムAE アートフィルター使用 ISO200

この質問は圧倒的に多いのですが、レストランでシェフに「私はなにが食べたいでしょう?」と聞くようなもの。とにかくいい写真が撮りたいなんて、美味しいものだったら何でもいい!と言うのと同じ。

好きなものはなにか? 下町、建築物、ネコ…といった具体的な被写体ではなく、ドラマティックな光、鮮やかな色、ユーモラスな瞬間、とにかく人…といったこと。「あれを撮りたい!!」と思わせるきっかけになるものです。ひとつに決める必要はありませんが、意識するだけで違いがあります。

画像: ▲自分では気づきにくいですが、シンメトリー(上下、左右などが対照)が好きという人も多いです。映り込みを利用してカップルをシンメトリックにして、現実と夢のあいだで揺れているように表現。 ■シグマDP2x 41mm 相当 絞り優先AE(F8)  ISO200

▲自分では気づきにくいですが、シンメトリー(上下、左右などが対照)が好きという人も多いです。映り込みを利用してカップルをシンメトリックにして、現実と夢のあいだで揺れているように表現。
■シグマDP2x 41mm 相当 絞り優先AE(F8)  ISO200

雑誌のページで手が止まるとき、車内吊り広告に目が惹かれるとき、なにが心をとらえているのか考えましょう。自分の写真を見返すことも大切なので、うまく撮れた、失敗した…というだけでなく、多く現れる傾向を探すとわかりやすいものです。

画像: ▲色と数字は写真に添えたアクセントで、ユーモラスに感じられる瞬間にも心惹かれます。この延長に「決定的瞬間」があります。 ■フジフイルムX-Pro1 XF35mmF1.4R 絞り優先AE (F2) プラス0.3 露出補正 ネガ(Hi)モード ISO200

▲色と数字は写真に添えたアクセントで、ユーモラスに感じられる瞬間にも心惹かれます。この延長に「決定的瞬間」があります。
■フジフイルムX-Pro1 XF35mmF1.4R 絞り優先AE (F2) プラス0.3 露出補正 ネガ(Hi)モード ISO200

今回のポイントは3点!

❶努力では変えづらいことから決めていく
❷目を惹かれるものを、ふだんから意識する。
❸撮った写真を見返して、なにか傾向がないかチェック!!

撮影・解説は自称「最後の文系写真家」内田ユキオさん

画像: ▲内田さんのブログについてはプロフィール写真をクリックするとジャンプします。 www.yuki187.com

▲内田さんのブログについてはプロフィール写真をクリックするとジャンプします。

www.yuki187.com

公務員を経てフリーフォトグラファーに。自称「最後の文系写真家」。モノクロのスナップに定評があり、ニコンサロン、富士フォトサロンなどで個展を開催。本誌をはじめ、新聞、雑誌に寄稿し、写真教室の講師など精力的に活躍中。主な著書には「ライカとモノクロの日々」、「いつもカメラが」など。

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